【留学体験談】「初海外・初留学」飛び込むチカラ② 留学のリアル

飛び込むチカラ①では、私が留学を目指すまでのストーリーをお伝えしてきました。
まだ①を読んでいない方はこちらをチェック✅

続いて②では…
以下のことについて触れていきたいと思います!
・専門学校後に海外大学を目指した理由
・サセックス大学を選んだ理由
・イギリスに行って変化したポイント
・留学したからこそ学べたこと
気になるところから読んでいただければと思います!
コンテンツ
あいさつ
みなさん、改めましてKanaです!
現在、私はイギリスのサセックス大学で国際関係と開発学を学んでいます。
イギリスに来るまで海外経験は一切なく、もちろん現在の海外大学留学するまで留学を一度もしたこともありませんでした。
その私がなぜ長期の海外留学を選び、そしてなぜ数ある大学の中からサセックス大学を選んだのか、具体的にお伝えしていきたいと思います!
専門学校卒業後に海外大学を目指した理由
日本で学び、世界へ挑む ― 専門学校から始まった夢

専門学校から海外大学への進学という道を選んだ背景には、どんな思いや目標があったのでしょうか?
詳しくは飛び込むチカラ①になってしまうのですが、
簡潔にお話しすると、私は専門学校時代にハイチ共和国へのボランティア団体を立ち上げ、その活動を通してある疑問を抱くようになりました。それは、「グローバル化が進む現代社会において、“支援する側/される側”という一方向的な関係のままで本当に良いのだろうか?」という問いです。むしろ必要なのは、互いに影響を与え合い、対等な関係のもとで未来を築いていくことではないか。この気づきこそが、私が大学に進学し、開発学を学びたいと思うようになった原点です。
専門学校では国際関係を学びながら、同時にボランティア活動という実践の場にも身を置いていました。その経験があったからこそ、「なぜ不平等はなくならないのか」といったマクロな視点の問いにも、学術的に向き合いたいと強く思うようになりました。
当初は、国際関係をより深く学びたいという漠然とした思いを持っていましたが、自分の価値観や経験を見つめ直す中で、「開発学」と「ビジネス」という二つのキーワードが、自分の関心の核にあることに気づきました。2年間にわたって世界について教えてくださった恩師から、「専門的に学ぶのであれば、国内ではなく海外の大学で学んだ方が良い」というアドバイスを受けたこともあり、国際関係を学ぶならば日本国内ではなく、海外へ進学したいという思いが固まりました。
大学選びにあたっては、留学関連のイベントに積極的に参加し、各大学の担当官とも直接話をしました。その過程で、国際関係よりも「開発学」の方が自分の関心により合致していることが明確になりました。また、開発学の分野ではイギリスの大学が特に評価されていると知り、イギリス全土の関連学部を持つ大学について詳細に調べました。
数ある大学の中で、なぜサセックス大学を選んだのか
比較の先にあった確信 ― サセックス大学を選んだわけ

候補の大学がいくつもあった中で、自分に一番合うと思ったのがサセックス大学だった理由は何ですか?
最終的な決め手は、
①国際関係と開発学のダブルメジャー(複数専攻)ができること
②開発学の視点からビジネスを学べる授業があること
③「本当に学びたい内容」と「学費」を比較して見えてきたバランス
この3つでした。
振り返ってみると…
私が海外の大学進学を考え始めたとき、最初に検索したのは「イギリス 国際開発 大学」だったのを覚えています。
でも、検索だけでは分からないことも多く、実際の雰囲気やコース内容を知るために、留学フェアに積極的に参加しました。そのフェアでさまざまな大学の担当官と直接話すことで、より具体的なイメージが持てるようになりました。
印象に残っているのは、以下の大学とコースです。
・イーストアングリア大学では、Global Development コース
・サセックス大学では、International Relations and Development コース
・シェフィールド大学では、Global Sustainable Development コース
もちろん、学費や生活費も意思決定に大きく影響しましたが、最終的には金額ではなく、「本当に自分が何を学びたいのか」という原点に立ち返ることで、サセックス大学に進学するという決断が自然に固まりました。
話を戻して、サセックス大学を最終的に選んだ①②③の説明をしていきたいと思います。
①国際関係と開発学のダブルメジャーができること
これはあくまで私の意見ですが、開発学を専攻する上で「国際関係」の視点は欠かせないものだと考えています。国の発展や貧困の解決には、最終的には政府との協力が必要不可欠であり、またその原因が他国との経済的・外交的な関係に起因するケースも少なくありません。そのため、自国だけでなく関係する外国の外交政策を理解するためにも、国際関係の知識がとても重要だと感じていました。このような背景から、国際関係と開発学のダブルメジャーが可能なサセックス大学は、私にとって非常に魅力的な選択肢でした。さらに、私は専門学校でも国際関係を専攻していて、その分野の学びがとても面白かったという実感があります。開発学に加えて、引き続き国際関係も深く学びたいという気持ちがあったため、両方をバランスよく学べるサセックス大学は自然と第一希望になりました。
実際に進学してから先生に聞いた話では、サセックス大学では「国際関係だけ」「開発学だけ」よりも、ダブルメジャーの方がむしろメリットが多いそうです。2年生・3年生になると、ほとんどの授業が選択科目になり、2つの分野を専攻していると、履修できる授業の選択肢が倍になるという点も大きな魅力です。また、仮に将来的に「やっぱり自分には国際関係の方が合っている」と感じたとしても、その時点で国際関係を中心に授業を選べば良いので、柔軟性のあるカリキュラム設計に、在学中の今でもこの大学を選んでよかったと感じています。
② 開発学の視点からビジネスを学べる授業があること
自分の関心がより明確になっていく中で、私は「開発学×ビジネス」というテーマに強く惹かれていきました。
ただ調べていくうちに、こうした分野を専門的に学べるのは修士課程(マスター)レベルであることが多いと気づきました。しかし、私自身、すでに学部課程の時点で約2000万円の借金を抱える状況だったため、修士課程に進学するのは現実的に難しいと感じていました。だからこそ、「学部レベルで“開発学×ビジネス”を学べる大学」を探す中で出会ったのが、サセックス大学でした。
特に心を動かされたのは、3年目に選択できる “Development, Business and Corporate Social Responsibility” という授業の存在です。カリキュラム内容を見たとき、「もう、この大学しかない」と思いました。
この授業では、簡単にまとめると以下のようなことを学びます。
開発におけるビジネスの役割とCSR(企業の社会的責任)運動の台頭について。TNC(多国籍企業)などの民間セクターは開発の重要な担い手とされ、企業は“支援者”だけでなく“パートナー”として重視されつつあります。DFIDや国連、NGOなどの国際機関は、企業の持つ市場の力を活用して貧困層支援や倫理的貿易、公正貿易などを推進しており、授業ではこうした動向を支持・批判の両面から考察していきます。
特にビジネスにおける開発学の立場やCSRの実際の取り組みをケーススタディやディスカッションを通して学べる点に大きな魅力を感じています。
今でもこの授業を履修するのが本当に楽しみで、「開発=支援・援助」という固定概念を超えて、ビジネスがどう開発に関わっているか」を多面的に学べる機会だと思っています。
③ 「本当に学びたい内容」と「学費」を比較して見えてきたバランス
私が最終的に候補に残した3つの大学を学費面で比較(高い順)すると、
シェフィールド大学 > サセックス大学 > イーストアングリア大学 という順番になります。
学費という現実的な要素は、私にとって無視できないものでした。
そのため、最後の最後までイーストアングリア大学にするかどうか、本当に悩みました。
シェフィールド大学は、授業内容が非常に興味深く、正直なところ内容面では第2希望でした。ですが、学費がサセックス大学よりも高かったため、残念ながら候補から外すことになりました。一方で、イーストアングリア大学は、学費やロケーションの面ではとても魅力的でした。ただ、選択科目に第二・第三外国語を学ぶ授業が多く、私が学びたかった「開発学」に特化した内容が少ないように感じたことが気がかりでした。
そうした中で、サセックス大学は学費こそ中間的ではあったものの、
- 開発学に定評があること
- 学びたい授業(たとえばCSRやビジネスと開発の関係など)があること
- 国際関係とのダブルメジャーが可能であること
これらの点を総合的に考えたとき、「ここしかない」と思えるようになりました。
学費については母から最後まで反対されていたのですが、最終的には自分の意思を伝えてサセックス大学に進学する決断をしました。
海外大学に進学しようと考えたとき、まず最初にぶつかるのが、
「どの国に行くか」、そして「どの学部・コースを選ぶか」という大きな迷いだと思います。
私自身も、進路を決めるまでに本当に、本当に!たくさん悩みました。
たとえば「国際関係を学びたい」と思ったとき、
国際開発と組み合わせたコース、政治と組み合わせたもの、地理や歴史とセットになったものなど、実にさまざまなアプローチがあります。
さらに、同じようなコース名でも、大学によって中身(モジュール)は大きく異なります。
言語科目の選択肢が豊富なところもあれば、環境問題に特化した選択科目が多い大学もあります。まんべんなく幅広い授業を提供している大学もあり、本当に多種多様です。
そんな時に大切になるのが、「比較すること」だと思います。カリキュラムを比較することで、「どの授業にわくわくするか」「どこなら自分の興味関心を深められそうか」が見えてきます。私自身も、“これが学びたい”という軸をもとに大学を選び、大正解だったと実感しています。
有名な大学かどうか、世界ランキングが高いかどうか――それももちろん、大学選びの一つの判断材料になると思います。しかしながら、多くの時間を学びに費やすイギリスの大学では、「学んでいることが本当に楽しい!」と感じられるかどうかが、留学生活そのものを楽しむうえで、何よりも大切なポイントだと思っています。
海外に出て価値観の変化はあったのか
必要なときに必要な助けを選び取ることも、もう一つの“強さ”

イギリスで過ごした9か月間で自分の価値観に変化はありましたか?
はい。様々な人と出会ったこの9か月は、私の価値観――というより、思い込みを大きく変えてくれました。改めて、人との出会いが人を変えるのだと、心から実感した9か月でした。
留学という目標を実現するまでの2年間、そして実際にイギリスで生活を始めてからの経験の中で、自分の思考に大きな変化が生まれたと感じています。
それまでの私は、何か問題が起こった時にひたすら悩むタイプでした。
「これでよかったんだろうか」「別の選択をしていたらどうだったんだろう」――そんな風に一つの選択を深く考えすぎて、前に進めなくなることもよくありました。もちろん、そうした自分の性格が完全に変わったわけではありません。しかし今では、「その考えすぎる自分も、上手くコントロールすれば、私の良さに繋がるかもしれない」と思えるようになりました。
一番の変化は、自分の限界を感じたときに、「助けを求める」という選択ができるようになったことです。留学する前の私は、「助けを求めること=自立できていないこと」「人に迷惑をかけること」と思い込んでいました。そして何より、自分が理想としている自分とは違う姿を、他人に見せることがとても怖かったんです。さらに、自分でも気づかないうちに「Step Out of Your Comfort Zone」という言葉を強く信じて、自分を追い込んでいた部分もあります。でも、留学生活はその信念に対しても新しい視点を与えてくれました。
海外での生活が始まってしばらくすると、ひとりで何でも抱え込んでいたら、自分が壊れてしまうこともあるという現実を目の当たりにしました。ある時、どうしても抱えきれない問題を前にカウンセラーのハリエット先生から「よければ、話に来てみない?」とメールをもらいました。何を話せばよいのかわかりませんでしたが、思い切って先生に会いに行ってみることにしました。
話をする中で、カウンセラーのハリエット先生がこう言ってくれました。
“Comfort zone を出ることは大切。でも、留学そのものがすでに comfort zone の外にいる状態。だからこそ、自分が安心できる土台を自分でつくることも大事なんだよ。”
その言葉を聞いた瞬間、すっと心に響くものがありました。
私はずっと、「常に comfort zone の外にいなければ」と意識していたつもりでしたが、
いつの間にかそれが、無意識に自分を追い込む思考になっていたのだと思います。でも今は、何かに挑戦するためには、安心して帰れる場所――心を休められる環境が必要だということに気づきました。それからは、「頑張らなきゃ」「もっと強くならなきゃ」と思うよりも先に、“今の自分のエネルギーは何%で、今何が必要か”を考えて動くこと”ができるようになったと思います。
“助けを求めること”はただの弱さではなくて、「自分を壊さずに前に進むための選択肢」です。これは、これから留学する皆さんにも、ぜひ心の片隅に置いておいてほしいことです。
必要なときに、必要な助けを選び取ることも、もう一つの“強さ”なのだと思います。
留学したからこそ経験できたこと
多様性と「英語圏」という思い込み:留学が教えてくれたこと

留学しなければ経験できなかったことは何かありますか?
国際関係や開発学を学ぶ私にとって、イギリス留学を通して得た学びのひとつは、
「外見だけで人を判断してはいけない」という、シンプルだけどとても大切な気づきでした。
イギリスの大学には本当にさまざまなバックグラウンドを持った人たちがいます。
たとえば、白人の学生にもイギリス・ヨーロッパ諸国・アイルランドなど出身はさまざま。
アフリカ系でも、祖父母がアフリカ出身で本人はイギリス生まれの人もいます。
アジア系の中にも、インド系イギリス人、中華系イギリス人、日系イギリス人など、多様性は本当に豊かです。
「Where are you from?」は失礼?
多様性を重んじる環境の中で、ある日ふと気づかされた出来事がありました。
様々なルーツを持つ学生たちと話していたとき、
アクセントからイギリス出身だと分かったので、何気なく「どの地域の出身なの?」と尋ねました。
話が続いた後、一人の女性が私にこう言いました。
「もし嫌じゃなければ、出身って聞いても大丈夫?無理だったら全然いいんだけど」
彼女のその言い方が、とても印象に残りました。
私はそれまで、「出身を聞く=相手に興味を持つこと」だと自然に思っていました。
でも彼女の丁寧な言い回しから、「相手がどう感じるか」を深く配慮していることが伝わってきました。
好奇心をそのまま言葉にすることが、相手の背景を無意識に決めつけることにつながるかもしれない。
そんなことを初めて実感した出来事でした。
Where are you from?を聞くことが必ずしも失礼になるわけではありません。お互いに聞き合うことももちろん多いです。
今回私が学んだのは、多様なルーツを持つ人々と接する中で、英語でも言葉の選び方がいかに大切かということでした。
「英語=ダイレクト」は思い込みだった
もうひとつ、イギリス生活で強く感じたのが「英語はダイレクトな言語である」という、私自身の思い込みでした。
留学前の私は、
「英語でははっきり言わなければ伝わらない」
「遠回しに話すと、回りくどく感じられてしまう」
という考えが強く、意識的にストレートな言い方をしていました。
もちろん、英語力が低かった頃にはそれが必要だったと思います。
でも、ある程度話せるようになってくると、言葉のトーンや距離感は“文化”によって違うということを強く感じるようになりました。
イギリス英語の「丁寧さ」は、言葉の選び方に宿る
たとえば、相手の意見に賛同できないときでも、
「I’m not sure I completely agree...」
(完全には賛成できないかもしれません)
のように、直接的な否定を避けて、やわらかい言い回しで相手との距離を保つ傾向があります。"Sorry" や "Thank you" も日常的に頻繁に使われ、そこにも相手への気遣いや社会的な配慮が感じられます。
調べてみたところ、「率直=失礼」になりうるという前提が強い文化であり、
特にロンドンやブライトンなどイングランド南部ではその傾向が顕著だとされていました。イギリスで生活をする中で、特にイギリス人の会話には“あえて遠回しに言う”ことで丁寧さを保つ文化があると生活を通して学びました。
この“遠回しな丁寧さ”は、大学の先生からのフィードバックにも表れています。
- 良い点は、ストレートにポジティブに
- 改善点は、やわらかく、提案のかたちで
たとえば:
「This is a strong piece overall. You might consider expanding your analysis in section 2.」
というように、「ここを直して」とは言わず、「考えてみてもいいかもしれないね」という距離感で伝えてくれるのが印象的でした。
言語だけでなく、「伝え方」も学ぶということ
これらの気づきは、教室の中では学ぶことができない、“現場”でしか得られない経験を通した学びでした。答えは一つではないけれど、こうして考えながら学ぶ毎日こそが、私にとっての“留学”だと思います。
「多様性を学ぶ」というのは、他人を知ることだけでなく、同時に自分の前提を疑うことでもあるのだ。そんなことを、今はしみじみと感じています。
そのことを身をもって経験できたことは、海外留学をして9ヶ月という長い期間生活したからこそ経験することのできた学びだと感じています。
最後に
飛び込むチカラ①②はいかがでしたでしょうか。
飛び込むこと(step out of your comfort zone)の大切さを学び、様々な挑戦をする中で自分の可能性や関心に気が付いた①に対して、
飛び込むために必要なのは「心が安心できる場所」をつくることだと留学を通して学んだ②。
私の人生は、いつも人との出会いによって変わってきました。「こういう人になりたい!」「この人の言葉ってすごく素敵」という心が動く人との出会いは私の原動力になってきました。
・わくわくすることを突き詰めること
・行き詰ったら、様々な人の話を聞いて考える材料のインプットを増やすこと
これは、私が日々大切にしている考えです。
日々アンテナを高く持ち、気づきに敏感でいること。そして、自分の思いを言葉にすることが、学びとチャンスを引き寄せる鍵だと信じています。
留学してみたいと思う方の背中を押すことができていたら嬉しいですし、皆さんの留学生活やこれからの未来が貴重な経験になることを心から願っています!


