【高校卒業後のイギリス留学・進学ガイド】大学進学への最短ルート解説

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はじめに

みなさん、こんにちは。
現在イギリス・サセックス大学に正規留学中のKanaです。

海外大学への進学を考えるとき、多くの方が最初に戸惑うのが「教育制度の違い」ではないでしょうか。教育年数や受験方法が日本とは異なるため、「仕組みが複雑でよく分からない」と感じる方も少なくないと思います。

私自身も、最初は全体像が見えず、何から始めればいいのか悩みました。

そこで今回は、イギリスの大学に進学する際に押さえておきたいポイントを以下に絞って解説します。

  • 日本とイギリスの教育システムの違い
  • 日本の高校卒業後の進路:IFYとIYO
  • International Study Centre (ISC) とは
  • ISCでの9か月のサポート体制

それぞれの状況によって選べる進学ルートは異なるため、詳しくは大学進学の専門家であるアフィニティースタッフにご相談ください。

✅日英の教育制度の年数を比較

イギリスと日本の教育年数の違いについて図にまとめました。

項目日本イギリス
小学校 / Primary School6年間 (6-12歳)6年間 (5-11歳)
中学校 / Secondary School3年間 (12-15歳)5年間 (11-16歳)
高 校 / Sixth Form3年間 (15-18歳)2年間 (16-18歳)
大学(学士)/ Undergraduate4年間 3年間 
大学(修士)/ Postgraduate2年間 1年間 

このように、教育制度が異なるため、日本からイギリスに進学する場合、仕組みも少し変わります。

イギリスの高校卒業 (Aレベル制度)

イギリスには「Aレベル」という試験があります。高校を卒業した学生は、自分が進みたい大学の3科目を選び、その成績をもとに大学に進学します。

日本の高校卒業生の場合、Aレベルに対応する制度がないため、多くは次のいずれかのプログラムを受講します。

International Foundation Year(IFY:ファンデーションコース)

 ・大学進学準備のコースで、専門分野の基礎とアカデミック英語を学ぶ

 ・修了後、大学の1年目に進学可能

International Year One(IYO:インターナショナル・イヤー・ワン)

 ・大学1年目に相当するプログラム

 ・一定の成績を収めれば大学2年目に編入可能(3年で卒業)

 ・大学によってはIYOを設置していない場合もあり

例外

 ・AレベルやIB(国際バカロレア)取得者

 ・短大・専門学校卒業者
→ 英語力が十分であれば、直接大学入学も可能

私の場合は専門学校卒業でしたが、IYOを選び、その選択は正解だったと感じています。

後程、それぞれのメリット・デメリットについて解説します。

✅留学の第一歩:IYOとIFY

IFY (ファンデーションコース)と IYO (インターナショナル・イヤー・ワン)の違い

IFY(International Foundation Year)と IYO(International Year One)は、どちらも「大学進学準備コース」に分類されますが、卒業までの年数や学ぶ内容が異なります。

ここからは、IFYとIYOについて、より具体的にみていきたいと思います!

ファンデーションコース (International Foundation Year)

海外大学進学を目指す留学生向けの準備コースとして、海外大学の1年目に進学するためのプログラムです。

学ぶ内容:

アカデミック英語(エッセイ、プレゼン、ディスカッション)

専門科目の基礎(例:ビジネス、科学、法律など)

イギリス式学習法(クリティカルシンキング、リサーチスキルなど)

ポイント:

・インターナショナ・イヤー・ワンに比べて英語の基準が低い

・英語でその分野の基礎を学び、1年目に進むことができる

1年目で学ぶことができるコースが幅広い

インターナショナル・イヤー・ワン (International Year One)

海外大学の学部1年目とほぼ同等の内容を学ぶ準学士コースで成績次第で、大学の2年次(Year 2)に編入可能なプログラムです。

学ぶ内容:

・アカデミック英語(より高度な内容)

・基礎ではなく大学1年レベルの専門科目(例:マーケティング、会計、IT、国際関係 など)

・グループプロジェクトやケーススタディなど、大学的な授業形式

ポイント:

・2年次に進むための基準が少し厳しい

・授業数はファンデーションに比べて少し多い

2年目に進むことができるコースは限られる

まとめ

日本の大学を卒業していても、AレベルやIB、短大・専門学校卒でない限り、原則としてIFYまたはIYOを経由する必要があります。

ファンデーションコース(IFY: International Foundation Year)
 → 大学準備コースで、幅広い分野に学士として進める
 → 入学条件は比較的やさしく、大学1年次に進学4年間で卒業

インターナショナル・イヤー・ワン(IYO: International Year One)
 → 大学1年目に相当するプログラムで、限られたコースの2年目に進む
 → 入学条件はやや厳しいが、大学2年次に編入3年間で卒業

✅大学入学前の選択:直接入学かIFY/IYOか

IFYとIYOは大学と提携している別の教育機関のプログラムです。つまり、大学本体とは別の教育機関で1年間学ぶことになります。

私自身、このことを知ったときは、「この大学の学生と呼べるのだろうか…」「何かデメリットはあるのでは…」と少し不安に思いました。

私の実体験をもとにその疑問についてお伝えしたいと思います!

別の教育機関:ISCの正体と役割

ISC (International Study Centre) :

海外大学進学の準備コース(ファンデーション・プレマスター)を提供

・運営は Study Group(1980年設立)

・提携大学:サセックス大学をはじめ、リーズ大学、シェフィールド大学、ダラム大学など

そして、サセックス大学はISCを最初に導入した大学であり、長年にわたる強固な協力関係があります。

そのため、ISCの学生はキャンパス内の施設を本校生と同じように利用できます。

例)

・学生証は本校生と同じ(期間は1年)

・ソサエティー(サークル)への参加可能

・学食施設の利用可能

・キャンパス内の寮への滞在可能

・図書館やキャリアセンターの利用可能

※大学によっては大学内のキャンパスに勉強施設がなく、ISCの建物は別の市にあるということもあります。

また、ここにない大学もStudy Groupと同様の教育機関(INTO, Kaplan, Oxford international, Uniapplynow等)が提携していることもあるので、気になる方はぜひお問い合わせフォームからお問い合わせください。

Study Groupが提携しているイギリスの大学例

私の体験談:Sussex ISCでの1年間

ここからは、私自身の実体験をお話しします。
私は日本で専門学校を卒業していたため、大学に直接入学する選択肢もありました。
しかし、調べていく中で直接入学にはデメリットもあると分かり、そのときに知ったのが Sussex ISC(International Study Centre) でした。
ところが、さらに調べていくと、それが大学本体の機関ではないと分かり、不安や戸惑いを覚えました。

ネガティブに感じたこと

 ・せっかくイギリスに行くのに、留学生だけのプログラムにはいるのは…

 ・本校の授業を受けることができないのか…

 ・これで「サセックス大学に入学した」と言えるのかな…

ポジティブに感じたこと

 ・学費が本校の1年目よりも安い

 ・留学生だけに用意されたサポート体制が心強い

 ・多国籍の人たちと出会えるのは大きなメリットかも

最終的に、私は「学費を少し抑えられる」「留学生へのサポートがしっかりしている」という2点からISCへの入学を決めました。

9か月過ごして感じたこと

結果的に、ISCを選んだことは私にとってベストな選択だったと断言できます!その理由については、次で詳しく説明していきます。

留学生のプログラムだから‥という思い込みは必要ない!

ISCは確かに留学生向けのプログラムですが、実際には英語ネイティブやインターナショナルスクール卒の学生、IELTS7.0以上の学生も国籍を問わず多く在籍していました。つまり、私が思い込んでいた「留学生だけ=ネイティブはいない」というのは完全な誤解でした。

そして、日常生活に困らない程度の英語力はあったものの、授業が始まって最初に直面したのは別の壁でした。

・先生の話は理解できても、クラスメイトの発言が聞き取れない

・自分の中には意見があるのに、ディスカッションのスピードに追いつけない

このとき私は、「イギリス英語やアメリカ英語が理解できるだけでは、本当の意味で英語を使いこなしているとは言えない」と痛感しました。世界中には英語を第二言語として話す人も多く、その英語を聞き取れなければ、世界で学ぶ意味が半減すると思ったからです。

だからこそ、「これはチャンスだからこそ、学ぶ時だ!」と自分に言い聞かせ、試行錯誤を続けました。その結果、9ヶ月経った今ではどのアクセントでもほとんど聞き取れるようになりました。アクセントはその国ならではのもの。相手に伝わっている限り、アクセントはその人の魅力の一つなのだと私は思います。

友人はどうやって作る?ー小さなきっかけを大切に!

「留学生のプログラムだとネイティブと話す機会は少ないのでは?」と思う人もいるかもしれません。でも実際には、ISCにはアメリカ・ガーナ・ナイジェリア・ウガンダ・フィリピンなど英語を母語とする学生も在籍しています。そのため、英語ネイティブの学生と友達になる機会は自然に訪れます。

とはいえ、せっかくイギリスに行くなら「やっぱりイギリス人の友人が欲しい!」と思うのも自然なこと。その時のおすすめは、寮生活やソサエティー(サークル等)に参加し、わからないことを聞いたり、ちょっとしたことで話しかけてみることです。授業外の活動に参加していると、イギリス人の友人を作るチャンスはたくさんあります。実際、私の最初のイギリス人の友人はフラットメイトでした。そして、今一番仲の良い友人とは、寮のコインランドリーで「使い方を教えてもらった」ことがきっかけでした。

大切なのは「頑張って友達を作ろう」と気負うことではなく、オープンな気持ちで自然体でいること。ちょっとした会話や挨拶を積み重ねるうちに、自然と人とのつながりが生まれていきます。気負って作った友人よりも、自然な自分で築いた関係のほうが、長く続くかけがえのない友情になります。友達作りは、大きなイベントや特別なスキルから始まるわけではなく、小さな会話や助け合いから始まるもの。

留学生活では、この「小さなきっかけ」を大切にすることが、友情を築く一番のヒントだと思います!

ISCの充実したサポート体制

ISCでは、学業面だけでなく生活面も幅広くサポートを受けることができます。主なサポートは次の通りです:

  • 渡航前のオンラインオリエンテーション
  • 到着後の1週間のオリエンテーション
  • 健康サポートやカウンセリング(精神面・身体面)
  • パーソナルチューター制度(1対1で進捗確認や相談)
  • 少人数制のクラス
  • エッセイに対する細かいアドバイスやフィードバック
  • ディスカッションに慣れるための授業
  • チーム活動を通じてリーダーシップを発揮できる機会

大学に直接入学すると、留学前のオリエンテーションはなく、送られてくるメールを自分で確認し、必要があれば自分で各部署に連絡を取る必要があります。その点、Sussex ISCでは渡航前から個人宛てに必要なサポートやフォローアップを受け取ることができ、細かい部分まで手厚い支援があるのが特徴です。

また、ISCには英語ネイティブの学生もいれば、英語がまだ得意でない学生もいます。先生方はそのレベル差を理解しているため、必要なときに相談すればしっかりサポートを受けられます。日本のように「できない人に合わせる」形ではありませんが、自分から積極的に行動する(わからないことを伝える・質問する)ことで、安心して学べる環境が整っています。

「わからない」は知るための第一歩!勇気を持って手を挙げよう

日本で専門学校を卒業していたため、知識はありました。しかし、英語で瞬時に意見を言えず、発言できないまま授業が終わる日々が続きました。答えは頭の中にあっても、言葉にできないもどかしさに、最初の3〜4ヶ月は悩みました。

特に苦労したのはエッセイの授業です。匿名の過去の学生のエッセイを読み、良い点や改善点を考えるのですが、IELTSのライティングの経験はあっても学術的な書き方や語彙に慣れていない私にはついていくのがやっと。一方でクラスメイトはネイティブレベルで、授業はどんどん進んでいきました。できる人たちのペースで邪魔しないようにと考えることで、私は置いて行かれると感じました。「このままじゃダメだ」と思った私は、常に手を挙げて、「ここがわかりません」「私にはこれは難しいです」「どうしてこうなるのですか?」と聞くようにしました。

最初は頻繁に授業を止めていた気がするので、周りにどう思われたかは正直分かりません。しかし、自分が理解できていないのに黙っているのは、自分にとっても相手にとっても時間の無駄だと気づいたんです。イギリスでは、「質問がない=理解している」「質問に対して黙る=無視されている」と受け取られます(”黙る=考えている”にはなりません)。だからこそ、分からないときに声を上げることが「理解したい」という意思表示になるのだと実感しました。

こうした経験を通して、授業中に「これって本当だろうか?」「実際の世界ではどう成り立っているのか?」「以前の授業とどう繋がるのか?」と常に考える癖がつきました。考えながら授業を聞くことで、質問や意見に対しても聞きながら意見が常にまとまっているため素早く反応できるようになったと感じています。

一見小さな努力が、実は大きな差をつくる

ディスカッションには慣れてきても、エッセイにはどう書いていいのか分からず本当に苦労しました。そこで私は授業外の時間を活用し、先生に繰り返しフィードバックをもらいに行きました。書き方だけでなく、「自分の主張に対して先生はどう思うのか」「他にはどんな意見があり得るのか」といった議論までしていただきました。その積み重ねのおかげで、最終的にはFirst Class(最高評価)の成績で1年目を終えることができ、2年生ではネイティブの学生たちとも臆せず議論できる自信を持てるようになりました!

イギリスの大学で求められるアカデミックエッセイは、英語ネイティブの学生にとっても難しいと感じるほどです。日常英語とは異なり、論理的な構成や客観的な分析、正確な引用ルールが必要であるため、多くの学生が大学入学後にワークショップやサポートセンターを活用してスキルを磨いています。ISCでは、分野ごとの先生が1年間かけて一人一人に丁寧なフィードバックを行い、点数向上に必要な構成・分析・深め方を指導してくれるため、自分の専門に特化したスキルを磨くことができます。

ちなみに‥イギリスの評価方法は日本と少し異なります。すべての課題や試験は100点満点で評価されますが、70点以上=最高評価(First Class)です。日本でいう80点や90点に相当する感覚ですが、実際に90点以上がつくことはほとんどありません。だからこそ、First Classを取れたことは大きな自信につながりました!

大学で求められる学び方とISCでの準備

イギリスの大学では、日本のように講義中心(レクチャー)ではなく、少人数で議論するセミナーが中心です。

ISCは10〜15人規模の少人数クラスのため、レクチャーとセミナーの中間のような形で授業が行われます。後期(春学期)には毎週ディスカッションがあり、事前にリーディング課題も与えられるので、先生のサポートを受けつつ、2年生以降の学習スタイルに自然と慣れていくことができます。

さらに、ISCは学業だけでなく、VISAやカウンセリング、イベント活動などの学外サポートも充実しています。これらすべての経験が2年生に進む自信につながりました。これはISCで出会った先生やスタッフ、クラスメイトや友人のおかげだと心から感じています。

イギリス大学の独特な評価のランクと意味

イギリスでは、最終成績(学位)は次のようなランクで表されます:

  • First Class(ファースト) – 70%以上
     → 最も優秀な評価。かなり難しいが、就職や大学院進学でも有利。
  • Upper Second Class(2:1 / トゥー・ワン) – 60〜69%
     → しっかり勉強している学生の多くがここを目指す。多くの大学院もこの成績を条件にしている。
  • Lower Second Class(2:2 / トゥー・ツー) – 50〜59%
     → 合格ラインではあるが、進学や就職で多少制限が出ることも。
  • Third Class – 40〜49%
     → ぎりぎりの合格。卒業はできるが、学位としての評価は低め。
  • Fail – 39%以下
     → 不合格。単位が取れず、再提出や再履修が必要になる。

最後に

今回は、日本の高校卒業後にイギリスの大学に入学する方法についてお話ししました。

様々な人と出会い、壁にぶつかりながらも自分で前に進む経験のおかげで、大学でのこの1年間を通して人として大きく成長できたと感じています。外に出たからこそわかる日本の良さ、日本人でいることへの誇り、自分の夢をみつけることができたので、世界に出ることは大切なことだと感じています。

少しでも、外に出てみたい、挑戦してみたいとおもう方にはぜひ、一歩踏み出す勇気をもって前に進んでほしいと思います。

その先に、皆さんが目指す未来・わくわくする未来が待っていることを心から願っています!

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