【女子サッカー】「挑戦を続けることでしか、見えない景色がある」――アメリカ大学で学び、戦う眞鍋 采希子さんの軌跡

高校卒業後、アメリカ・アーカンソー州に渡り、サッカーと学業の両立に挑戦している眞鍋采希子さん。
現在は University of Central Arkansas(セントラル・アーカンソー大学) に在籍し、General Studies(一般教養)を専攻。
ビジネスやスポーツ心理学を中心に学びながら、女子サッカー部のアタッキングミッドフィルダーとしてチームを支えています。
本インタビューでは、海外進学のきっかけ、準備、大学サッカーのリアル、生活やメンタル、キャリアの展望、そして後輩へのメッセージまで、率直に語っていただきました。

コンテンツ

選手プロフィール

名前眞鍋 采希子(まなべ さきこ)さん
所属大学University of Central Arkansas(アメリカ・アーカンソー州)
専攻General Studies:ビジネス・スポーツ心理学
ポジションアタッキングミッドフィルダー
経歴佐久長聖高校(長野県)卒業後、カンザス州 Butler Community College(2年制大学)へ進学
その後、University of Central Arkansasへ3年次編入

自己紹介・現在の環境

現在通っている大学・専攻・サッカー部でのポジションを教えてください

眞鍋采希子です。
今はアーカンソー州にある4年制大学、University of Central Arkansasに通っています。
専攻はGeneral Studiesです。その中でもビジネスとスポーツ心理学を中心に勉強しています。
サッカーではアタッキングミッドでプレーしています。
高校卒業後、渡米して最初はKansas州のButler Community College へ進学しました。今年の1月から今の大学に編入し、現在大学3年目のシーズンの最中です。

アメリカ進学を目指したきっかけ

いつ頃から「海外進学+サッカー」を意識し始めましたか?

中学3年生の夏頃に佐久長聖高校女子サッカー部の練習体験に行き、監督に高校卒業後はアメリカ大学進学という選択肢があるということを教えてもらった時です。
英語を使えるようになる、アメリカの学位が取得できる、サッカーが良い環境でできるという点に惹かれて高校卒業後はアメリカ大学に進学したいと思うようになりました。

高校時代、日本でのサッカーと勉強の両立はどうしていましたか?

サッカー部の学習会や朝の英会話レッスンで英語の学習時間を確保していました。
学練習のバスの移動時間や、空き時間を見つけて英語を勉強していました。
早朝英語オンラインクラスも取っていたので、そこで学校の勉強とは別に英語を勉強していました。

海外進学を考えるうえで一番不安だったことは何でしたか?

何もかもが未知な世界だったので、たくさん不安なことはありました。アメリカの大学は学費が高いので奨学金付きのオファーが本当にもらえるのかという点は不安な点でした。

準備プロセス

英語学習はどのようにしましたか?

高校在学中の3年間は平日に朝5:30からのTOEFL対策のオンラインレッスンを受けていたので、それを軸に勉強を進めていきました。
レッスン外では単語帳の単語を覚えたり、podcast やTed talk をみたりして、リスニング強化をしたりしていました。

奨学金はどのようなオファーを受けましたか?

コミュニティカレッジの時は、寮費の一部として月に1〜2万円くらい払っていました。それ以外はサッカー部が負担してくれて学費、食事代、残りの寮費、教科書代などがカバーされていました。
今の4年生大学はフルスカラシップのオファーを頂けたので、学費、寮費、食費、教科書代、保険代がカバーされています。ただ、寮費は収入とみなされるので、寮費にかかる税金は支払っています。

渡米前にやっておけばよかったと思う準備はありますか?

英語の面で、もっとどのようにコミュニケーションをとるのかということを学んでおけば良かったなと思います。最初の頃はどのように話しかけたり、会話をしたりすれば良いか分からず困っていました。
サッカー面では、アメリカのサッカーは縦に速く、フィジカルで勝負するようなサッカーをするチームが多いです。
自分の強みを活かすことができるだけのフィジカルをつけること、相手に当たらないでプレーする判断や技術というのはもっと意識的に取り組むべきだったなと思います。
技術の面では日本人の方がレベルが高いと思うので、そこの強みを発揮できるように考えてプレーすることが大事だなと思います。

大学生活とサッカーのリアル

1日のスケジュールを教えてください

平日は曜日によりますが、例として朝9時から50分の授業を2コマ受けます。
そこから宿題をしたり、オンラインクラスのレクチャーをみたり、昼食を取ったりして午後4時から練習があります。
練習後は主に宿題に追われています。笑

学業とサッカーを両立するうえで工夫していることは?

工夫というかは分からないですが、常に課題に追われている日々なので、その日しないといけないことをやるということを繰り返しています。
その中でも時間を見つけて積極的にサッカーの自主練は行っています。
私はほぼ毎日昼寝をしているのですが、その時間でエネルギーチャージをしています。また、学内にあるコーヒーショップでコーヒーを買って、コーヒーと共に課題に向き合っています。

チームの雰囲気や文化、日本との違いを感じることはありますか?

今のチームの雰囲気はみんなで励ましあって、プラスの声かけを掛け合うことが多くその部分は今のチームの好きなところです。
ただ、日本ほど練習中に引き締まった雰囲気はなく、その部分に物足りなさを感じることもあります。

コーチやチームメイトと英語でコミュニケーションをとるうえで最初に苦労したことは?

最初にアメリカに来た時は何を言ってるのかさっぱり分からないということが多かったので、チームメイトやコーチとのコミュニケーションはとても苦労しました。
1人で過ごすことが多かったです。
編入した今の学校のチームメイトは基本的には優しいので話しかけてくれることも多くて本当に助かっています。やっと英語でどのようにコミュニケーションをとるのかということに慣れてきた感じがあります。
一方コーチからあまり指示をされることがないので、今そこに対して難しさを感じているところです。
積極的にコーチとコミュニケーションをとったり、コーチの考えを理解しようとして、私に対してどのようなことを求めているのかを分かるようにしていきたいと思います。

アメリカの女子サッカーのレベル感や試合環境は日本と比べてどうですか?

女子サッカーのレベルは所属するリーグや大学によって全然違います。
技術という面では、どのレベルにおいても日本人はある程度通用すると思います。2年制大学はレベルとしてはあまり高くなく、日本人は活躍しやすいと思います。
今私が所属している4年生大学は技術の面では私が一番高いという自信があります。ただ足の速さ、強さという面ではアメリカ人の方が高いです。

試合環境は日本よりも良いと思います。特に4年生大学では、環境が充実しています。今の大学は女子サッカー専用のサッカーハウスと言われる一軒家のような建物がありそこにロッカールーム、ミーティングルーム、キッチンなどがあります。
また、常にGPSをつけていて練習や試合のパフォーマンス管理がされています。
サッカーコートは天然芝で試合用1面、練習用2面を男子と共有で使っています。

生活・メンタル・サポート体制

寮やアパートなど、住環境はどのようになっていますか?

コミュニティカレッジの時は2人で1部屋で、洗面所とシャワーが付いているというような感じでした。
今はキャンパス内のアパートに1人のチームメイトとすんでいます。
一階にキッチン、洗濯機、乾燥機、ソファ、トイレがあり、2階にはそれぞれの部屋とシャワールームがあります。
今は1人部屋ですし、キッチンもあるのでとても住みやすい環境です。

食事や健康管理はどうしていますか?

食事は基本的には学校のカフェテリアで食べています。
コミカレの時のカフェテリアは食事はあまり充実していませんでしたが、今は種類も多く、栄養バランスを考えて食べることができています。
春休みなどの時間のある時はキッチンで自炊することもあります。

怪我をした時のサポートはどうですか?

チームには専用のアスレチックトレーナーがいるので、何かあればすぐに相談したりケアを受けることができます。
保険はアスリートは普通の学生の保険に加えて、アスリート用の保険があるのでそれに加入しています。

ホームシックや不安な時、どうやって乗り越えましたか?

日本は常に恋しいですが、私はサッカーが好きなのでサッカーが出来ていれば幸せです。
不安な時は音楽を聴いたり、本を読んだりして、この状況に感謝して前向きにやるしかないと自分に言い聞かせています。

将来のキャリア・ビジョン

卒業後の進路として考えていることはありますか?

卒業後はプロサッカー選手になって活躍したいです。
ただ、サッカー選手はやれる年齢が限られているので、デュアルキャリアやアフターキャリアとして何をしたいのかは考えていかないといけないなと思っています。
今は明確なものはありませんが、起業などにも少し興味はあります。

アメリカでの経験が今後のキャリアにどうつながると思いますか?

まず、英語で人とコミュニケーションを取れるようになったという事が、すごく大きいと思います。
また、宗教や人種が違う人と出会った事で世界にはいろんな価値観を持った人がいる事がわかり、それを受け入れる事ができるようになりました。
サッカーでは、日本とは違うプレースタイルに対して自分がどのように適応して良さを出していくのかという所にチャレンジする日々が自分をより高めてくれていると感じます。

これから海外を目指す方へのアドバイス

高校生に「今からやっておくと良いこと」を3つ挙げるとしたら?

英語で会話すること:
実際にアメリカに来てみて、一番困るのは人とコミュニケーションを取れなかったことなので、その練習をいっぱいしておく事が大切だと思います。

情報を得ること:
私の場合アメリカは未知の世界だったので、アメリカに留学している人や詳しい人に話を聴いたり、インターネットで調べたりして、情報を得たり、そこからモチベーションを上げたりしていました。

アメリカで戦えるフィジカルの土台を作ることと:
日本人と比べてアメリカ人は主にフィジカルの面で優れているので、最低限のフィジカルはあった方が良いと思います。それに加えて、その中で自分の強みをどれだけ出せるかが大事だと思うので、自分の強みをより磨く事も大切だと思います。

留学を目指す選手へ、最後にメッセージをお願いします

アメリカは自分を成長させてくれる、そんな場所です。
私もアメリカ留学を通して、日々多くのことを経験し、多くの感情に出会っています。楽しいと感じる時間よりもうまくいかないことが多く、もがいている時間が多いですが、それが私を成長させてくれているのかなと思います。
なので、そういう環境に身を置けていることに感謝して、そういう日々も楽しんでいきたいです。
何事も積み重ねていく事が大切だと思うので、自分の夢や目標に向かって諦めずに続けていたら道は拓けていくと思います!

最後に

眞鍋さんの話を通して感じたのは、彼女が環境の変化を恐れず、自らの努力で道を切り開いてきた選手であるということです。
高校時代からの早朝レッスンや自主学習の積み重ね、サッカーと勉強を両立する日々、そして渡米後の異文化への適応。どの経験も、眞鍋さんの中で確かな自信と成長につながっていました。

「フィジカルでは敵わない部分があるからこそ、自分の強みをどう生かすかを考える」という言葉からは、現実を受け止め、常に次のステップを見据える冷静さと前向きさが伝わってきます。
また、「サッカーができていれば幸せ」という率直な一言には、スポーツを通じて生きる彼女の原点が凝縮されていました。

努力を続ける姿勢、異なる価値観を受け入れる柔軟さ、そして挑戦を楽しむ心。
眞鍋さんのストーリーは、これから海外で学び、挑戦しようとするすべての若者にとって、大きな勇気を与えてくれるものです。
積み重ねてきた日々が、きっと彼女をさらに大きな舞台へと導いていくことでしょう。

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