【女子サッカー】「挑戦しなければ何も始まらない」――アメリカで成長を続ける桃井咲乃さんの歩み

「最初は英語でのコミュニケーションが怖かった。でも、話さなければ上達しない。」そう話すのは、カリフォルニア州にある Merced College で、サッカーと運動学を学ぶ桃井咲乃さん。
高校卒業後に単身渡米し、女子サッカーに新しいポジションで挑みながら、英語、学業、自炊、生活面のすべてを自分でこなしてきました。
「英語が不安で、自分がアメリカで生活している姿なんて想像できなかった」と語る彼女が、なぜ海外での学びを選び、どんな日々を過ごしているのか。「日本でしか知らなかった自分」を超えるために、この地で挑戦を続ける咲乃さんに話を聞きました。

コンテンツ

選手プロフィール

名前桃井 咲乃(ももい さきの)さん
所属大学Merced College(アメリカ・カリフォルニア州)
専攻Kinesiology:運動学
ポジションボランチ / センターバック
経歴佐久長聖高校(長野県)卒業後、カリフォルニア州 Merced College(2年制大学)へ進学

自己紹介・現在の環境

現在通っている大学・専攻・サッカー部でのポジションを教えてください

桃井咲乃です。
現在はカリフォルニア州の Merced College(に通っています。
専攻は 運動学(Kinesiology) で、女子サッカーチームは CCCAA というカンファレンスに所属しています。
サッカーでは ボランチやセンターバック でプレーしています。
高校ではサイドバックでしたが、アメリカに来て新しいポジションに挑戦しました。試合のあらゆる場面に関われる今のポジションに、大きなやりがいを感じています。

アメリカ進学を目指したきっかけ

いつ頃から「海外進学+サッカー」を意識し始めましたか?

高校2年生までは、日本の大学や専門学校でスポーツトレーナー系の勉強をしようと思っていました。サッカーも高校で辞めるつもりでした。でも、進学先を調べていく中で、
・アメリカにトレーナーのプログラムがあること
・女子サッカー部があること
を知り、「英語を学べて、トレーナーの実践勉強もできて、サッカーも続けられる。自分にとって完璧な環境だ」と思い、アメリカ留学に挑戦しようと決めました。

高校時代、日本でのサッカーと勉強の両立はどうしていましたか?

サッカー部にはスマホや就寝時間に関するルールがあったので、学校にいる間に勉強を済ませるようにしていました。
休み時間や移動中、時間が足りない日は朝早く起きて勉強したり、すき間時間を全部使っていました。

海外進学を考えるうえで一番不安だったことは何でしたか?

一番は 英語力 です。
英語を勉強していても、ネイティブの人と普通に会話できる自信がまったくありませんでした。アメリカで生活している自分の姿が想像できなかったです。

準備プロセス

英語学習はどのようにしましたか?

入学に必要な英検2級Aを取るため、
参考書やYouTubeで対策したり、学校の先生に協力してもらい、実践練習をたくさんしました。

そして高校在学中に英検2級Aを取得でき、入学の許可を得ました。高校卒業後、9月入学まで少し時間があったので、6月中旬から渡米し、Merced College 付属の語学学校で英語を学びより良い大学生活のスタートがきれるように準備をしました。

渡米前にやっておけばよかったと思う準備はありますか?

もっと「話す力」にフォーカスしておけば良かったです。机で勉強しても、いざ話すと単語が出てこなかったり、文法を気にしすぎて話せなくなったりします。
間違いを気にせず、英語で話す練習を増やすことが大切だと感じました。

競技面ではフィジカルの差をすごく感じました。
ただ、日本人はテクニックや戦術面で強みがあるので、その部分を伸ばせば十分戦えると思います。

大学生活とサッカーのリアル

1日のスケジュールを教えてください

平日は14:00〜16:00が練習です。
授業は専攻や履修科目によって変わりますが、基本的に練習前に1〜2コマ受けています。
オンライン授業も活用して、対面と組み合わせています。

学業とサッカーを両立するうえで工夫していることは?

工夫というかは分からないですが、常に課題に追われている日々なので、その日しないといけないことをやるということを繰り返しています。
その中でも時間を見つけて積極的にサッカーの自主練は行っています。
私はほぼ毎日昼寝をしているのですが、その時間でエネルギーチャージをしています。また、学内にあるコーヒーショップでコーヒーを買って、コーヒーと共に課題に向き合っています。

チームの雰囲気や文化、日本との違いを感じることはありますか?

アメリカは、練習とオフのメリハリがとてもはっきりしています。試合になると表情が一気に変わり、集中力が高いと感じます。
チーム内では誰に対しても褒め合う文化があり、全員が挑戦できるポジティブな雰囲気があります。

コーチやチームメイトと英語でコミュニケーションをとるうえで最初に苦労したことは?

最初は自分の考えやプレーを言葉で伝えられず、
プレーが合わなかったり、会話に入れなかったりして悔しかったです。
でも、拙い英語でも自分から話すようにしていくうちに、少しずつ距離が縮まりました。

アメリカの女子サッカーのレベル感や試合環境は日本と比べてどうですか?

アメリカは フィジカル重視、日本は 技術や戦術重視 という違いを感じます。
練習・試合環境はとても整っていて、人工芝や天然芝のピッチ、練習時間になるとトレーナーが水を準備してくれ、試合や練習前にはテーピングやケアをしてくれます。
ホームゲームでは必ず帯同し、選手をサポートしてくれます。

生活・メンタル・サポート体制

寮やアパートなど、住環境はどのようになっていますか?

最初は留学生向けの女子寮にいましたが、
もっと英語を話す環境に身を置きたいと思い、ホームステイに移りました。

食事や健康管理はどうしていますか?

基本は自炊です。
まとめて作り置きしたり、学校のパントリーを活用したりして、
できるだけヘルシーな食生活を心がけています。

怪我をした時のサポートはどうですか?

学校にはトレーナールームがあり、いつでも相談できます。
怪我の治療、テーピング、食事のアドバイス、筋トレの相談までサポートしてくれます。

ホームシックや不安な時、どうやって乗り越えましたか?

ホームシックはあまりありませんでした。
ただ、英語で気軽に話せる相手がいないことは不安でした。でも、話さないと何も始まらないので、自分から積極的に話しかけるようにしました。
結果として、サッカー部のメンバー以外にも友達がたくさんでき、心の支えになっています。

将来のキャリア・ビジョン

卒業後の進路として考えていることはありますか?

Merced Collegeを卒業したら、四年制大学に編入し、サッカーを続けます。
将来的には アスレティックトレーナー(AT) として活動したいので、勉強も続けていきます。

アメリカでの経験が今後のキャリアにどうつながると思いますか?

語学力はもちろん、多様な価値観に触れたことで、
自分の考え方が柔軟になりました。
この経験は、将来のキャリアに必ず活きてくると思います。

これから海外を目指す方へのアドバイス

高校生に「今からやっておくと良いこと」を3つ挙げるとしたら?

・英語の勉強
・自立して生活する力
・挑戦・冒険心を持って行動すること

この3つは海外で生活していく上でとても重宝されるものだと思います。

留学を目指す選手へ、最後にメッセージをお願いします

最初は不安や大変なこともたくさんあります。
でも、日本ではできない貴重な経験ができる場所です。
違う文化に触れることで、世界の広さや自分の可能性を知ることができます。

勇気を出して一歩踏み出せば、人生は必ず面白くなります!

最後に

桃井さんは、言葉や環境が違う中でも、自分で考え、自立し、自ら挑戦を選び続けてきた選手だと感じました。
「英語が不安だった」「自信がなかった」という本音を隠さず、それでも行動を止めなかったからこそ、今の成長につながっています。

アメリカでしか得られない経験、異文化、サッカー環境。その全てをチャンスに変えようとする姿勢が、とても印象的でした。
また、サッカーだけでなくその後のキャリアとしてアスレティックトレーナーとして活躍することを同時に目指していて、先を見据えた行動力が素晴らしいと感じます。サッカーとトレーナー活動で一般性よりも格段に忙しいスケジュールをこなしているバイタリティも備わっています。

桃井さんの「挑戦しなければ何も始まらない」その言葉が、これから海外に挑戦する後輩たちにとって、確かな勇気になるはずです。

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